女性の体のトラブル

乳房の痛みやしこり、腫れが気になるときは乳腺外来や女性専門外来へ

乳房は、赤ちゃんの健康な発育に欠かせない母乳を出す役割を担うと同時に、女性らしさを示すアイデンティティとしても重要な位置を占めています。それだけに、乳房の大きさ、乳首の色、乳輪の大きさなどの様々な俗説(乳房は大きいほうがいい、乳首が黒いのは制経験が豊富など)に惑わされる人も少なくありませんが、何の科学的根拠を持たないものに悩まされる必要はありません。

乳がん検診を受けましょう

女性の乳房は、性モルモンの影響を受けて小学6年生前後で膨らみ始めて、20歳前後には、女性らしい丸みを帯びた形に成長します。左右の乳房の大きさや形は、ほかの体の器官と同様に少しずつ違っていることも珍しくありませんが、短期間にはっきりとわかるほど大きさにずれがある場合は、乳がんなどの病気も考えられます。

乳房の異常は、幸いにして直接、目で見たり、手で触れたりすることができるので、胃や腸などに比べて病気を早期発見しやすくなっています。乳房のしこり、凹みがあったり、乳首の先から分泌物が出るなどの自覚症状がある場合は、乳腺外科を受診しましょう。月に1回は乳房の自己検診を行って、異常を早期発見するように心がけましょう。乳がんで気を付けたい症状としては、以下のようなものがあります。

表面がデコボコして、かたいしこりがある…乳房の膨らみにくっついて、周囲に根を張ったような感じがするしこりは痛みがなくても要注意です。

乳房にえくぼができる…横になってバンザイすると、乳房の両側がへこみますが、へこんだ場所にしこりがある場合は要注意です。

乳首が陥没している…生まれつき乳首が陥没している場合は心配いりませんが、ある日気づいたら、凹んでいたという場合には乳がんの可能性があります。

乳首から出血する…乳首から赤色や黒褐色の分泌液が出てきたら、乳管にがんがある可能性があります。また、乳首が荒れて皮膚が剥がれたり、出血がみられるときも乳腺外科を受診しましょう。

授乳期以外の乳房のトラブルで、自覚しやすい症状は、痛みや腫れ、しこりです。月経前に乳房の痛みが増す場合は、乳腺症が疑われ、腫れて痛みがあるときは乳腺炎などが疑われます。痛みや熱を帯びた感じがなくて、月経が近づくと乳房が張ってくるのはホルモンの影響が考えられます。月経開始と同時に症状が和らぐ場合、病気の心配はありません。

妊娠していたり、授乳中でもないのに、乳首から分泌物が出ることもあります。月経間の一時的なもので、月経開始と同時に分泌が止まる場合は心配ありませんが、月経がなかったり、月経周期が乱れているときは、高プロラクチン血症が疑われます。これは乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンが過剰分泌されるために排卵が障害される状態で、訃音の原因となることもあります。

授乳期以外で乳房のトラブルが気になって医療機関を受診する場合、乳腺外科や女性専門外来があればよいのですが、そうでない場合は婦人科より、外科で診察することが一般的です。いずれを受診する際にも、月経周期が病気を診断する際のヒントになることがあるので、月経周期や基礎体温表をメモしておくとよいでしょう。なお、乳がん検診は、なるべく月経と月経の中間の時期を選んで受けるようにしましょう。