女性の体のトラブル

不妊の原因として多い排卵や卵管、精子の異常を調べます

避妊を行わないで性交渉をしている、子供を希望している夫婦で、1年間経っても妊娠しない状態を医学的に「不妊」と定義します。従来は「2年間」という期間が採用されてきましたが、晩婚化が進んで初産を迎える年齢が高くなっていることもあり、不妊の場合に早期治療を受けられるようにという目的で、日本産科婦人科学会は2015年に「1年間」に期間変更を行いました。

不妊専門外来も増えてきました

不妊の原因は、男女でほぼ半々となっています。約40%が女性、その中でも多いのは、排卵や卵管に原因があるものです。そして約40%は男性、こちらは精子に原因がある場合がほとんどです。そして残る20%くらいは、原因不明となっています。不幸なことに、従来、子供ができないのは、すべて女性側に責任があるという迷信が根強くありました。そのため、本来は不妊治療を受けるべき男性側が医療機関を受診しないまま、女性だけがつらい思いをしてきたのです。

産婦人科や不妊外来では、医師の診察に先立って、結婚年数や避妊期間の有無、月経の状態、過去の病歴や手術歴などについて問診票に記入することが求められます。特に中絶の回数や、クラミジアや淋病などの性病などの病歴は、不妊の原因を探るための大きな手掛かりになるので、正直に記入しましょう。

その後、体型や肥満度や肥満度、乳房の発育状態などを見る視診、おなかと膣のほうから子宮や卵巣の状態を見る内診を行います。内診の際には、併せてエコー(超音波)検査を行うことで、子宮筋腫や卵巣嚢腫の有無、ときには子宮の形の異常などがわかります。診察に引き続いて、女性の月経周期に応じて、必要な検査を行いますが、検査が一通り終わるまでには、2か月くらいかかります。

初診のときには、女性だけでも問題ありませんが、最初は不妊検査やその後の治療の手順や考え方の説明があるため、できれば夫婦そろって受診したほうが、夫婦間の意思疎通にもつながります。初診のときには、過去2〜3か月分の基礎体温表があれば、重宝します。基礎体温表のグラフを見れば、ホルモンの状況も排卵の有無もわかるからです。

このとき大事なことは、測った体温を数値ではなく、毎日の点を線で結ぶ、すなわちグラフ化することです。医師はそのグラフの形で判断を行いますが、数値だけでは視覚的に判断が付きにくいのです。

女性の場合は、検査項目がたくさんありますが、それを排卵、卵管、子宮、着床、頸管の関係に分けて行います。最初に基礎体温を付けて、エコー検査によって卵巣の中で卵胞が順調に成長しているかどうかを確認します。

それから、血液を採取して、卵巣機能に関係するホルモン(黄体化ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチン、テストステロン、エストロゲンの6種類)の量を調べます。ホルモン関係の検査では、基礎体温の高温期でプロゲステロン(黄体ホルモン)が正常に働いているか、つまり受精卵の着床の条件が整っているかを調べる検査もあります。

卵管関係では、卵管のつまりの有無を調べるため、炭酸ガスや水を通してみたり、膣から造影剤を入れてレントゲンで見る子宮卵管造影検査も行いますし、卵管が詰まる原因となるクラミジアに感染しているかどうかの検査、内膜症などを知るための腫瘍マーカー「CA125」の検査も行います。

そのほか、子宮の入り口に分泌している粘液の変化をみる頸管粘液検査や、精子がそこを通過できるかを調べるヒューナーテストも行われます。また、女性が体内に精子の動きを抑えてしまう抗精子抗体を有していることがあり、これも血液で検査されます。

一方、男性では、精液を採取して精子の数と運動性、奇形率などをみます。状況に応じて、男性ホルモンの検査や、体内に精子の動きを抑制する抗精子抗体がないかどうか、染色体に異常がないかを調べる検査を追加することもあります。